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はじめに

「標準化の取組み団体がいろいろあってわからない」「標準化を定義するのは誰なの?」「標準化のメ リットがわかりにくい」等、医療情報に携わる各システムベンダーの現場最前線にいる営業マンの声を 聞くことから普及推進委員会の活動が開始され約 8 年が経過した。その間にパンフレットの Vol.1 〜 3 を発行し、各システムベンダーに都度アンケートを実施し、得られた「声」を反映するかたちで改版・

配布するというサイクルを年度単位で廻してきている。

これまでの経緯を簡単に振り返りながら、今年度の活動内容、及び、今後の活動について報告する。

経緯:パンフレットVol.1 〜 3

図 -1:パンフレット Vol.1 〜 3

パンフレット Vol.1 では、「これだけは知っておきたい医療情報システムの標準化関連用語 Vol.1」を 作成した。このパンフレットはアンケートにてスコアが著しく低かった若手営業マン向けに作成され、

「厚生労働省標準規格」「HELICS」「JAHIS 標準」「IHE-J」「SS-MIX」「MEDIS 標準マスタ」について 解説を載せることにした。また、いつでも見ることができるようにパンフレットにミシン目を入れるこ とにより、カード形式にして保管し、携帯できるように工夫した。

その結果、パンフレット配布後のアンケートでは、JAHIS 標準類、SS-MIX、MEDIS といった項目の 理解度の若年層と中堅の点数差が縮んできた。若年層への普及が推進してきたと評価した。

パンフレット Vol.2 では、「標準類についてはまだ不足」「標準類の関連性が知りたい」「解説だけで なく課題なども提供してほしい」というアンケート結果に基づき、「HL7」「ICD-10」「DICOM」「医薬 品 HOT コードマスタ」「IHE 統合プロファイル」「JLAC10」についての解説を掲載し、カード形式につ いては継続することとした。

また、配布後のアンケートを工夫し、医療システム営業の経験年数と標準化に向けた活動に関する理 解度、パンフレットに記載された各標準類について、パンフレットを読む前の認知度(1: 全く知らな い、2: 単語を聞いたことがある、3: なんとなく知っている、4: 知っていた、5: 詳細や目的を語れるほ

ど知っていた)、パンフレットを読んだ後の理解度(1: 全く理解できなかった、2: 少ししか理解できな かった、3: なんとなく理解できた、4: 理解できた、5: かなり理解できた)についてスコアで回答しても らうことにした。

図 -2:アンケート結果

標準化関連用語解説による認知度の向上

パンフレットを読んだ後の理解度については、認知度に比較してかなりのハイスコアで向上してお り、各用語の理解レベルも平準化している。

また、このパンフレットによる標準類の解説による認知度の向上について、理解度のロースコア人数 が激減したということから認知度があがったと考えられる。HL7、ICD-10、DICOM はロースコアをほ ぼ撲滅できており、認知度が低かった残りの3項目についても大きな成果を挙げることが確認できた。

パンフレット Vol.3 では、用語の解説は Vol.1、Vol.2 を通じて一定の成果を得られたことから、さ らに利用価値を高めるために「いかに活用すべきか」を、業務と標準類の関連性を示すこととした。

Vol.1、Vol.2 の改版と、Vol.3 として「医療情報システムにおける標準類オーバービューチャート」を リリースした。

主要な標準類(規格・規約・マスタ等)を「厚生労働省標準規格(HELICS 医療情報標準化指針採択 含む)」と「JAHIS 標準類」「JAHIS 技術文書」に分類し理解しやすいように色分けし、電子カルテシ ステム、診療支援システム群、地域医療連携の各システムとの関係を図示した。

このパンフレットに対して、オーバービューチャート方式は「把握しやすい」(91%)と高い評価を 得ることができた。一方で「2 次元バーコードが使いにくい」、「もう少し見やすくしてほしい」等の貴 重な意見を頂いた。

今年度の活動内容

前述の意見の他、「これまで Vol.3 まで出たけど、全部持ち歩くのは大変」「それぞれがまとまってい ないので見にくい」等の意見を反映する形で、「医療情報システムの標準化について【集約版】」を作 成・配布した。

1点目として、一覧性を確保するために、三つ折りのパンフレットとし関連項目が一度に見える形で レイアウトすることとした。

2 点目として、二次元コードからの表示の仕方を工夫した。二次元コードでJAHISのサイトを経 由し、各サイトへリンクすることで利便性を高めるようにした。

その他、更新に伴いあらためて有識者に監修を頂くこととした。

図 -3:医療情報システムの標準化について【集約版】

今後の活動

集約版に関する、アンケート項目の検討は完了しており、アンケート結果を分析し定点観測を行い、

対前年度の比較より浸透度を調査する等を実施していく。また、以下6点につき検討している。

 ①アンケート結果の解析

 ② 各標準規格の関連性・メリット等の明確化ツール類の作成。新たなる普及推進ツールの企画

(Web サイトの検討)

 ③理解度や関心度の低かった標準化分野をより理解し、普及させる施策の検討  ④医療情報システム入門コース教材への反映

 ⑤標準化採用システムの導入による具体的な効果計測指標の検討  ⑥各種セミナーの企画

上記活動を通じて、今後益々データの利活用が求められる中、標準化の更なる普及のためにどのよう にすべきか検討を深め、委員会一同、微力ながら全力で推進していく所存です。

今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。

以上

2017 年 9 月 25 日の週に JAHIS で DICOM 国際会議が開催されましたので、ご紹介いたします。

DICOMとはDigital Imaging and Communications in Medicineの頭文字をとったもので、「ダイコム」

と読みます。医療におけるさまざまな画像検査の画像データや検査に必要とされる情報、画像の表示に 関わるデータなどを伝送するために必要とされるデータ形式、データ長、メッセージ形式、メッセージ 交換の仕方などを定めている標準規格です。JAHIS は 2007 年 3 月に、DICOM 規格を開発する DICOM  Standards Committee(DSC)のメンバーとして正式に承認され、一般社団法人 日本画像医療システ ム工業会(JIRA)と一緒に参加しています。

DSC は年に 3 回、米国・欧州・アジアで各 1 回開催されます。今回、アジア枠として日本で開催さ れることになり、JIRA と JAHIS が共同して主催することになりました。DSC だけでなく、いくつかの ワーキンググループ(以下、WG と呼ぶ。)も一緒に開催されました。さらに、元々開催予定のなかっ た WG-14(Security)も Co-Chair の一人が来日しており、日本から説明したいことがあったため、急 遽 AdHoc の委員会を開催することになり、セキュリティ委員会との意見交換が実現しました。まさに JAHIS 開催のメリットが行かせた出来事だったと思います。また、会議が開催された週に IHE コネクタ ソンが実施されていましたので、第 66 回 IHE 勉強会+コネクタソン見学会に参加し、勉強会では来日 メンバーに DICOM 関連の 2 つのテーマで講演を行っていただきました。

9 月 25 日 ( 月 )   9:00 〜 12:30   WG-10 (Strategic Advisory)

      13:30 〜 17:00  WG-29 (Education, Communication and Outreach) 9 月 26 日 ( 火 )   9:00 〜 15:30   DSC (DICOM Standard Committee) 

      16:00 〜 17:00  WG-14(Security)AdHoc

9 月 27 日 ( 水 )  14:00 〜 17:00  第 66 回 IHE 勉強会+コネクタソン見学会 9 月 28 日 ( 木 )   9:00 〜 12:30   WG-13(Visible Light)

      13:30 〜 17:00  WG-31(Conformance)